会計帳簿のつけ方
青色申告を行う場合、複数の帳簿を作成して保存することが要件になっております。必要な帳簿は①仕訳帳、②総勘定元帳、③現金出納帳、④売掛帳、⑤買掛帳、⑥経費帳、⑦固定資産台帳が挙げられます。今では市販の会計ソフトが多数あり、知識があまりない方でも帳簿をつけることができるようになっています。帳簿は申告のためだけに使うものではなく、事業状況を把握するためにも必要ですので、この帳簿はどういった目的で使用するのかということは知っておいたほうがいいでしょう。今回は最低限知っておきたい帳簿の種類とその使用方法についてお話します。
- 仕訳帳(仕訳日記帳)
日々のすべての取引を発生順に記載し、②の総勘定元帳へ転記を行います。主に特定の日付内での取引を確認するのに見返したりします。会計ソフトを使用すれば自動で転記されるので数字が間違っていなければ問題ないです。ただし摘要欄には必要事項をしっかりと書いておく必要があります。特に重要なのは
・取引先の名前
・取引内容(商品代、打ち合わせ費用等・・・)
・関連者の名前(先生と食事をとったのなら〇〇先生と記載)
の3点でしょう。先生との付き合いで一緒に食事をとったり、ゴルフに行ったりした場合は税務調査の際に特に調べられることになる項目です。調査時にきちんと説明できるよう記載漏れがないようにしましょう。
- 総勘定元帳
①の仕訳帳を科目ごとに集計したものが総勘定元帳です。例えば現金や売掛金がいくら残っているか、消耗品にいくら使ったかという情報が確認できるようになります。この科目をまとめて集計して当期の利益を算出したものが試算表となります。
科目については分かりやすいように細分化しても問題ありません。例えば「売上」の科目を、「保険売上」「自費売上」のように分けて計上することも可能です。
③現金出納帳
駐車場代や細かな消耗品の購入の際に現金を引き出しておく際に残高を確認するために使用します。総勘定元帳との違いは仕訳を意識せずに入出金のみで作成できることです。
診療で時間がない場合はスタッフに作成してもらうとよいでしょう。
④ 売掛帳
総勘定元帳では売掛金残の合計を確認できましたが、売掛帳は得意先ごとの売掛金の入出金の状況を記載します。例えば手持ちがないから次回来た時に治療代をもらう場合、売掛帳に記載しておくと回収状況について把握することができます。⑤の買掛帳は逆に支払先について管理するものとなります。
帳簿については作成から7年間保存する必要があります。2020年の1月1日以降に処分してもよい帳簿は2012年度申告以前の帳簿となるので、まだ処分をしていない方は確認してみてください。