自費診療患者が来院せず、料金未払
自費の治療費は比較的高額となることが多いため、料金の未回収が続くと医院経営にかなりの悪影響を及ぼしてしまいます。実際、治療費を支払ってもらえない事態が起こった場合は、電話やメールなどで督促を行うことが一般的かと思いますが、患者となかなか連絡がつかないまま、結局は院長先生が泣き寝入りするということも多いようです。
このような事態が防ぐためにも、高額な自費診療を行う場合は、前払い制度の導入を検討してみてください。補綴物の印象時に、印象代として最低原価部分の代金を先払いしてもらい、セット時に残金をもらう仕組みにしておけば、原価部分の回収は確実に行えるため赤字にはなりません。
また、できる限り治療前の段階から患者と密にコミュニケーションをとって信頼関係を構築しておくことも未回収を防ぐための重要なポイントです。自費治療の必要性を改めて説明し、患者の意思確認もしっかり行ったうえで費用負担を理解してもらうようにしましょう。その際、料金については、口頭での説明だけでなく書面として資料をお渡しし、十分に説明を受けて納得した旨の同意書を交わしておけば、後々のトラブルを防ぐこともできます。
もし、料金未払の事態が起こった場合はとにかく早めに督促を行いましょう。支払う患者側からしても、時間が経てば経つほど支払う意思が低下していきます。タイムリーに未回収の治療費を把握し、できる限り早く督促することが重要です。何度督促を行っても治療費を支払ってもらえない場合は、少額訴訟などの法的手段をとることも可能です。しかし、このような手段をとっても必ず満額回収できるわけではなく、その一方で内容証明郵便の送付などの手続きを踏まなくてはならず、時間と労力をかなり費やすことになり、また場合によっては、風評被害をうける可能性も否定できません。法的手段をとる場合は、このあたりのリスクも考慮したうえで慎重におこないましょう。