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金銭・盗難トラブル対策

2018.12.10
開業中の方

 

歯科医院はいわゆる現金商売であるため、レジ金が合わないといったトラブルは少なくありません。受付の単純なつり銭間違いや紛失などが原因であることが多いですが、スタッフの横領によるケースも耳にします。

このようなトラブルを防ぐためにも、常日頃からスタッフに対して金銭の取り扱いの重要性に関してしっかり教育を行ったうえで、入出金の管理を徹底しましょう。例えば、朝、昼、夜と1日3回レジ金の照合を行うようにし、照合を行うスタッフも固定にせずに入れ替えるようにすればスタッフの横領リスクも未然に防ぐことができます。

定期的に院長が抜き打ちで窓口現金のチェックを行うことも、スタッフへの牽制となり金銭トラブルの予防策としては非常に効果的です。ただし、これはスタッフとの信頼関係がある前提で効果的な対策ですので、常日頃からスタッフとコミュニケーションを密にとり良好な関係を築いておくことが重要となります。

また、就業規則などで懲戒規定を設けておくこともお勧めします。この場合は、被害の大小によって減給や解雇など、処分の程度を変えるとよいでしょう。

そして、実際に横領が行われていることが発覚した際の対処法としては、まず横領を行ったスタッフと直接面談する場を設けてください。再発防止の観点から経緯や手口なども確認しておくことをお勧めします。被害の大小や本人の反省度合いを見て警察に被害届を出すかどうかも検討して下さい。

また、場合によってはスタッフの解雇を検討する場合もあるかと思います。解雇を行う場合は、原則30日前までにスタッフへ解雇予告を行う、もしくは解雇予告手当として30日分の平均賃金を支払う必要があります。しかし、横領などが行われた場合は、「解雇予告除外認定」を労働基準監督署に申請することができ、承認されれば解雇予告手当の支払いなども不要で即日解雇が可能です。ただし、軽微な場合は承認されませんので、ご注意ください。