引退後の生活や資金額を考える
開業後間もない院長先生であれば、引退後の生活を考える余裕などないかもしれませんが、医院経営が安定してきた段階で引退後のライフプランニングについても徐々に考えていただきたいところです。
引退後のライフプランニングを検討する手順としては、
(1)引退後に不自由なく生活するために必要な貯蓄額を算出し、
(2)必要な貯蓄額を形成するための具体的手法を検討することになります。
では、まず(1)引退後に不自由なく生活するための必要な貯蓄額を算出していきましょう。生活水準にもよりますが、老後の生活費は一般的に現役時代の7~8割程度といわれています。これらの指標を参考にしたうえで、趣味やレジャーにかかる費用、医療介護費、お子さんやお孫さんへの支援資金、その他予備費も踏まえて算出しましょう。
【例】男性歯科医師 現役時代の生活費 月50万円、65歳で引退
残された妻の生活費は3割程度減少すると仮定。夫婦ともに平均寿命まで生存するケース
①夫婦の生活費=50万円×80%×12か月×15年(男性平均寿命80歳)=7,200万円
②奥様の生活費=50万円×80%×70%×12か月×7年(女性平均寿命87歳)=2,352万円
③住宅リフォーム費用 300万円
④趣味・レジャー費用 500万円
⑤子供・孫への支援資金 500万円
⑥医療介護費用 300万円
⑦予備費 300万円
⑧合計 11,452万円
必要な貯蓄額を算出したら、(2)具体的な貯蓄方法を検討します。年金収入はどのくらいの金額が想定されるのか、生命保険の満期金はどのタイミングでいくら入るのかなどを時系列で把握しましょう。そのうえで、小規模企業共済や確定拠出年金・年金保険などの加入・増額なども検討してみてください。老後の蓄えに関しては不安を抱える院長先生も多いかと思いますが、早い段階からライフプランニングを行って計画的に貯蓄を進めていってはいかがでしょうか?