スタッフの減給や退職推奨の注意点
2018.11.01
開業中の方
勤務態度が悪い、能力が低いなどの理由でスタッフを辞めさせることはできますか?
という相談をよく受けますが、非常に難しい問題です。
労働基準法上、試用期間(14日以内)であれば解雇予告をすることなく、解雇することが可能ですが、14日を過ぎて解雇を行う場合には、通常の解雇と同様の手続きが必要となります。通常の解雇とは、少なくとも30日前に解雇予告をする必要があり、30日前に予告をしない場合は、解雇までの日数に応じた平均賃金(解雇予告手当)を支払わなければなりません。ただし、14日以内かどうかにかかわらず、客観的に合理的な理由が存在し、社会通念上相当と認められる場合でなければ解雇を行うことはできないことに留意が必要です。
では合理的な理由や社会通念上相当と認められるにはどうすればよいのでしょうか。
まずは、就業規則がきちんと整備されているかどうかがポイントになります。解雇に関する就業規則内の規定としては、
- 服務規程
- 解雇規定
- 懲戒解雇規定
- 損害賠償規定
などがそれにあたります。これら規定に違反する場合、解雇理由になるということを具体的に定めておきます。違反した場合には、それを明らかにした書類や改善を促した証拠などを作成しておくようにしましょう。従業員が不当解雇だとして法的処置に出たときに対抗する資料とすることができます。
解雇はスタッフにとって大きな影響を与えることから、必要な手続きを踏んでもトラブルに発展してしまう恐れがあります。解雇に至るまでの経緯を書類で残したり、スタッフと話し合いを行うときは第三者として専門家に同席してもらうなどして、無用なトラブルが起きないようにしましょう。
もし、就業規則の整備などが済んでいない場合には是非一度専門家にご相談ください。