予約のキャンセルを減らすには
限られた診療時間と設備を活かすためにも、医院としては予約している患者さんにはできるだけキャンセルなく来院して欲しいところです。
キャンセル対策として様々な方法が昔から行われています。どの方法が、どんなキャンセルの場合に有効かを今回は見ていきたいと思います。
(1)ハガキを送る
最も一般的に行われている方法かと思います。
定期検診の予約は、数カ月先になるので患者さんも忘れがちです。直前に届くように送るよりは、予約日の10日~2週間前に到着するように送れば、変更の希望があっても対応しやすいでしょう。
また、紙媒体で保管してもらえるので、見逃しにくく家族の方にも見てもらえます。
(2)電話をかける
患者さんが希望している場合や、無断キャンセルをできるだけ減らしたい医院で行われている方法です。電話をかける時間と人手が必要ですが、無断キャンセルの率は下がりやすく、また、変更の場合もその場で次のアポイントを取りやすいことが利点です。
電話での予約案内は、抵抗があったり仕事が増えることを懸念するスタッフもいます。新たに始める場合には、具体的に何件くらいかけることになるか、どの程度時間が掛かるか、も合わせて伝えましょう。
(3)メールを送る
アドレスを収集して、システムや手作業でメールを送る方法です。
導入している医院もありますが、メールアドレスの書き間違いやアドレスの変更時に機能しないこともあって、あまり採用していない医院が多いように思います。
メールでの相談に対応している医院やWEBでの問い合わせが多い医院であれば、あまりコストを掛けずに行える方法かと思います。
(4)SNSやSMSで連絡
SNSの機能を使って予約の日時を伝えたり、携帯番号宛にショートメッセージ(SMS)を送るようなサービスもあります。メールアドレスよりも収集が容易ですので、徐々に導入する医院が増えてきています。
予約システムと連動させて自動送信すればスタッフの負荷は減らせるでしょう。
しかし、美容院や飲食店、他の業界の広告なども同様の方法で通知をするので、埋もれてしまい見落とされる可能性はあるでしょう。
院長によっては「キャンセルがあったら医院の収入が減る。収入が減ったら昇給や賞与に響くよ」と伝えているケースもありますが、スタッフからはあまり共感を得られていないように思います。
「キャンセルがあったらアポを断っている他の患者さんに迷惑だ。キャンセルせず通院してもらうのが患者さんのためだ」というスタンスの方がスタッフは受け入れやすいでしょう。
執筆者:森
兵庫県出身・大阪府立大学院卒
2006年 税理士法人イースリーパートナーズ入社
2008年 税理士登録
2016年 当社役員就任