患者数が減ってきたときの対策
患者さんは高齢や転居により、いつかは来院されなくなります。医院を続けていくためには、常に新しい患者さんを獲得し続けていくことが必要です。
とはいえ、院長も高齢になって、設備も老朽化してくると、新患を獲得し続けるのが難しくなってきます。では積極的に設備投資をしたり、どんどん新しい増患手法を考えるかというと、その資金やモチベーションもありません。そんな場合はどうすれば良いでしょうか?
今回は患者数が減ってきた場合に、V字回復を目指すのではなくリタイヤに向けて緩やかに着地していくことを目指す方法をご紹介します。
(1)できる範囲で患者数を増やす
たとえば、アポイントの空きが多くなってきたのであれば、急患の飛び込み歓迎を打ち出すのもありかもしれません。ブログやツイッターなどで、本日の空き状況をお知らせしている医院もあります。
また、既存の患者さんが高齢により通院できなくなったり近隣の住民が減って患者数が減少している場合には訪問診療を行って減少幅を少なくする方法があります。
(2)コスト削減
アポイントの空いている時間が多くなった場合には、診療時間の変更も検討が必要でしょう。稼働時間を減らせば、光熱費などの経費やパートタイマーの給料を削減できます。材料の在庫や設備の更新もある程度減らしていくことが想定されます。
とはいえ、全く設備投資しないと競争力が全くなくなってしまったり、空調や水回りなど絶対に必要な設備の入れ替えもありますので、その投資が可能な売り上げを維持することが必要でしょう。
医院のコストだけなく、院長の生活費(給料)の見直しも必要かもしれません。売上が減少する中で同じ生活レベルを維持し続けると、収支がマイナスになる可能性があります。収支が悪化した場合に備えて、個人で生活費1年分くらいを現金で貯金しておきたいところです。
執筆者:森
兵庫県出身・大阪府立大学院卒
2006年 税理士法人イースリーパートナーズ入社
2008年 税理士登録
2016年 当社役員就任