歯科医院のスタッフの昇給の目安
歯科業界に限らず、労働者は正社員として勤務していれば、定期的に昇給すると考えています。
反対に、経営者(院長)は能力がアップしていないにも関わらず給料が増えることには違和感や抵抗を持っています。
とはいえ、定期昇給が「ゼロ」としている歯科医院はほとんど無いでしょう。給料が全く上がらないと、他の医院への転職に繋がったり、他の業界への転向を考えるきっかけになってしまいます。
では、実際にどれくらいの頻度で、どの程度昇給させれば良いのでしょうか?また、歯科医院のスタッフの昇給の相場は何円くらいでしょうか。
まず、パート・アルバイトの時給UP幅ですが、定期昇給であれば10円~50円、責任の範囲や能力の向上を伴うような100円~200円程度が一般的なように思います。
なお、パート・アルバイトに関しては上限を設けて一定額に達したらそれ以上昇給しない、という医院もあります。
次に、正社員について解説します。
院長は「医院の業績が上がれば給料も上げても良い」と考え、スタッフは「医院の状況はともかく、継続して働いて、技術も能力も身についてきているのだから上げて欲しい」と考えます。
いずれも間違いではありませんが、ミスマッチにならないよう制度や計算根拠を決めておくのが良いでしょう(公表しなくても構いません)。
例えば、能力如何に関わらず、マイナス評価が無いなら1年勤めたら〇円上げる、という制度が分かりやすいかと思います。
上場企業の昇給割合等が毎年公表されていますので、その半分くらいを目安にされても良いでしょう。ちなみに、2022年は2%程度と予想されています。
次に、評価部分としての昇給は、具体的な能力や技術が身についた時点で昇給させるものです。
具体的には1,000円~5,000円くらいが目安になると思います。入社して数年は成長度合いも大きいと思いますので、順当に昇給し、徐々に緩やかなペースになるといいでしょう。
また、採用難の時代ですから、誰かが辞めたときに他のスタッフが急に忙しくなる場合があります。
そういう場合には、繁忙手当のような手当を支給して、次のスタッフの採用が決まるまで負荷がかかることに配慮することも行われています。
皆さんの医院でも検討してみてはいかがでしょうか。