医院を開業するにあたって、スタッフを募集しなければいけません。

それではスタッフの給与はどのように決めていく必要があるでしょうか。

 

まずは給与の相場を把握しましょう。

調べ方についてですが、公的な数値としての給与相場は労働局や統計局のサイトなどで調べることができます。

しかし、詳細な職種や地域を限定できないので、「民間の求人サイト」や「ハローワークのインターネットサービス」が参考になります。

これらの求人サイトでは職種、地域を絞って相場を調べることができます。

開業予定地の近辺の医院がどれくらいの給与設定をしているのか把握することが大切です。

いくつかの求人サイトを見てみると大阪府内の募集では歯科助手は19万円～、歯科衛生士は2５万円～となっているのを多く見かけます。

医院の開業場所の相場より大きく下回ってしまうと、応募が全く来ないという事態にもなりかねませんので、相場は把握しましょう。

 

　次に医院の事業計画に沿って、何円までなら人件費に使えるのか考えましょう。

人件費をいくらまでかけるかの指標の1つとして、対売上比で見る方法があります。

勤務ドクターの有無にもよりますが、一般的には売上の20%～35%に抑えると良いと言われています。この場合の人件費には社会保険料も含みます。

近辺の医院の相場より多い給与を設定すれば、人は集まりやすくなります。

しかし、人件費が大きすぎて経営が圧迫されては問題です。

 

最後に職務の内容・勤務日数・残業の有無・社会保険料の負担額・交通費などを考慮して、相場を下回らず、支払い可能な給与の額を算定していきます。

基本給だけに目を向けてしまいますと、残業代や社会保険料が思った以上に負担となってしまいますし、未払いとなっては問題となります。残業代などは発生する前提で考えるべきでしょう。

 

今回は開業時の給与について解説しましたが、経営を続けていくには昇給の仕組み作りも必要となっていきます。

スタッフの方が心地よく長く従事できる環境となるためにも、給与の制度はしっかりと作っていきましょう。