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金融機関から開業資金を借りるには?

2020.12.28
開業をお考えの方

開業を考えられている先生方の心配事として大きいのは、「どうやって資金調達するか」という部分だと思います。

 

初期投資は最初にかかってくる大きな費用で、経営をする上では避けられない部分なので、金融機関からの借入を検討する事が多いのではないでしょうか。

 

居抜き物件を購入するにせよ、新しい場所に医院を建てるにせよ、建物の取得にはかなりのお金がかかりますし、そこにチェアを数台導入することを思えば借入を全くせずに開業する、というのは難しいでしょう。

 

とはいえ、金融機関とうまく付き合っていく、というのはイメージもしにくいものです。

そこで、今回は借入れるための準備や注意点をお伝えします。

 

金融機関から借入をする事前準備として、基本的には3年分の確定申告書・決算書と事業計画書を金融機関に提出し、それに基づいて返済の可能性などから審査を受けることになります。

確定申告をする場合、控えを手元に残すようにし、しない場合は年間の給料・収入が分かるもの(源泉徴収票)を保管するようにしましょう。

 

審査を受ける前に金融機関とのすり合わせが必要な部分として、診療報酬の入金口座を借入口座にすること、借入で購入した土地を担保に入れる必要があるなど一定の条件を付されます。

 

上記の条件に加え、金融機関の口座について給与振込口座に指定する、公共料金引き落とし口座などに指定するなどの条件を提示されることがあります。

特段デメリットがない事、借入時の金利引下げの要件になることもありますので、あらかじめ金融機関の担当者に確認しておきましょう。

 

また、借入の方法についても様々であり、信用保証協会が金融機関に対し、先生方の返済を保証する「保証協会付き融資」と、保証協会を介さない「プロパー融資」があります。

 

初めての借入である場合、保証協会付きの融資を金融機関から提案されることがあります。

これは、先生方に万が一のことがあり返済できなくなった時に保証協会が金融機関に対し代わりに借金を返済してくれるもので、金融機関にとっては何があっても返済してもらえるため安心して契約できる、というものになります。

保証が下りれば金融機関がOKを出しやすくなり、借入の入口は比較的広くなっていると言えます。

反面、担保などの条件はプロパー融資とそう変わらない上に金利は保証協会の定めた利率になるため引き下げの余地が少ないうえに保証協会に保証料を支払わなければならず、結果的に金利負担が大きくなることがあります。

 

プロパー融資については、金融機関はよりシビアな目線で見られますが、保証料や金利の面で保証協会付よりも好条件で借入れることが出来ます。

担保を取られる点に差はないですが、金利や借入期間等の融通を考えると、プロパー融資を目指すのがいいでしょう。

 

金融機関の担当者は、医師の先生方、医療法人の形態や保険治療の入金スケジュールなどを十分に把握していないことも多いため、診療報酬と手元資金の兼合いについて認識が嚙み合わないこともあります。

その為、打合せの際はあらかじめ必要な融資額や返済期間について余裕をもった計画を立て、商談に臨むのが良いでしょう。