最近の歯科医院開業の傾向とコロナ下での開業のポイント
最近の新規開業の傾向についてご紹介します。
最近の設備の充実化や内外装のグレードアップによって、開業時の設備投資は拡大傾向にあります。
以前であれば、チェアの台数とCTの有無に大きく左右されましたが、現在はマイクロスコープやCAD/CAMの購入、内装設備のグレードによって総投資額が変わります。
これまでは「設備の充実化によって差別化を図る」というようなコンセプトもあったと思いますが、現在は「一通りの設備はあって当然」というような印象を受けます。
多額の設備投資を行って開業するのですから、全く戦略無しに開業するのは危険と言えるでしょう。反対に、きちんとした戦略と資金の手当てをすれば、十分成功できる可能性があります。
金融機関も、融資期間を長めに設定したり、当初の返済負担が無いように据置期間を長めにするなどの開業支援を行っています。
必ず、歯科の開業を得意とした金融機関と組んで開業すべきしょう。
また、反対に、投資額をかなり抑えて開業するような案件も散見されます。小さな診療所、借入金額の抑制、必要最低限のスタッフで、毎月の固定費を抑えた形での診療スタイルです。大きな利益を生みだすのが難しい反面、損益分岐点は低くなるので、黒字化までの道のりは短くなります。
新型コロナウィルスに関連して、設備投資の方向性も、変わっていくものと思われます。ここ最近開業した医院は、新型コロナウィルスの感染が拡大する前に事業計画を立てています。
大型空気清浄機や口腔外バキュームの各チェアへの設置、レイアウトやカウンターの仕様なども、これまでより予算を割くことになるかもしれません。今までとは違った感染防止での視点が求められます。
アイデアや対策に明るい建築事務所や施工会社、ディーラーさんの協力が必要でしょう。
また、コロナウィルスの対策や支援については、各歯科医師会の活動が改めて注目されたように思います。マスクや消毒関係の手配や配布、また支援策の案内の早さなど会員の利益に繋がる部分が多かったように思います。
入会するか否か迷われる方は、地域の歯科医師会の活動状況を確認されるのも良いかもしれません。