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社会保険の仕組み

2019.08.01
開業をお考えの方 開業中の方

「社会保険」には、「労働保険」「年金保険」「健康保険」があります。今回は、その社会保険について解説していきます。

 

  • 院長ご自身の社会保険

    院長ご自身が入られる社会保険としては、年金保険と健康保険があります。勤務医の時は労働保険にも加入していたと思いますが、事業主(雇い主)になると、原則として労働保険に加入することはできません。また、個人医院と医療法人では年金保険・健康保険の取扱いも異なります。

  • 個人医院の場合 

   年金保険 … 国民年金保険  

   健康保険 … 歯科医師国保 もしくは 市町村の国民健康保険

  • 医療法人の場合

   年金保険 … 厚生年金保険

   健康保険 … 協会けんぽの健康保険

           もしくは歯科医師国保(ただし法人化前に加入していた場合のみ継続できる)

 

  • スタッフの社会保険

   スタッフの社会保険として考えなれればいけないのが、労働保険、年金保険、健康保険です。

  • 労働保険

   労災保険(勤務中にケガ等をした場合の保険)と雇用保険(スタッフが失業した場合の保険)を総称して労働保険といいます。保険料の負担額としては、下記のとおりです。

   労災保険 … 事業主全額負担(給与額の0.3%)※

   雇用保険 … 事業主負担(給与額の0.6%) スタッフ負担(給与額の0.3%)

 

 スタッフ負担分は給料から天引きし、年に1回(7月)にスタッフ負担分も含めて1年分を申告納付する手続きとなっています。

(※ 保険料率は、2019年6月現在)

 

  • 年金保険・健康保険
    • 個人医院の場合

    <常勤スタッフが5人未満の場合>

     年金保険 … 国民年金保険

     健康保険 … 歯科医師国保 もしくは 市町村の国民健康保険

     →どちらも保険料を事業主が負担する義務はありません。しかし、福利厚生の一環として、あえてその保険料の一部を手当といった形で支給してあげるのも1つです。

     また、下記の常勤スタッフが5人以上の場合と同じ社会保険に任意で加入することも可能です。

    <常勤スタッフが5人以上の場合>

     下記医療法人の場合と同じ取扱いになります。

 

  •  医療法人の場合

   年金保険 … 厚生年金保険

          →保険料負担は、事業主1/2、スタッフ1/2

   健康保険 … 協会けんぽの健康保険

          もしくは歯科医師国保(ただし法人化前に加入していた場合のみ継続できる)

          →協会けんぽの場合の保険料負担は、事業主1/2、スタッフ1/2。

         もし歯科医師国保を継続加入している場合は、事業主がその保険料を負担する義務はありません。

 

厚生年金保険と協会けんぽ健康保険については、スタッフ負担分を給料から天引きし、その天引き額と事業主負担分をあわせて毎月納付するという手続きとなっています。

 

厚生年金保険・協会けんぽ健康保険に加入している場合、昇給のタイミングによっては、その後1年間の社会保険料の金額が違ってくることもありますので、昇給時期を決めていない場合等は、ぜひ事前にご相談ください!