経営お役立ち情報 column

クリニック経営に必要な生命保険

2019.04.01
開業をお考えの方 開業中の方

生命保険に加入する上で、「何のために」「いくらぐらい」の保険に入ればいいのか、悩まれる方が多いと思います。目的別にどうアプローチすればよいか、ご説明いたします。

 

目的①:保障

先生に万が一が起きた場合、診療ができず、休院あるいは閉院となる可能性があります。

休院・閉院時の下記金額を算出し、それを賄うだけの保障額を準備する必要があります。

・返済すべき借入残高、ローン残高、リース残高

・休院期間の、あるいは閉院するまでの、固定費(人件費、家賃、最低限の維持費)

・残されたご家族に必要な生活費など(個人的に加入しているものの上積みとして)

 

目的②:貯蓄

将来クリニックを改装するなど、まとまったお金が必要な局面は生じえます。

銀行に預金を預けておくことも有効ですが、生命保険を活用すれば、①の保障を付けながら、計画的に貯蓄することが可能となります。また商品によっては、元本を超える満期保険金や返戻金を受け取ることができるものもあります。

設定金額は、例えば10年後に1,000万円を投じて改装する、という目標を定め、10年後に1,000万円を満期保険金か返戻金で受け取る設計をすることになります。

 

目的③:福利厚生

上記②と重複する点もありますが、養老保険等の商品を活用して、スタッフの退職金を積み立てることができます。

スタッフ毎に「何年後にいくら」の退職金額かを設定し、計画的に積み立てることができます。また退職金共済と違い、退職金相当の保険金は一旦クリニックに入金されますので、例えば支給するに至らないスタッフの退職金は、クリニックにプールすることができます。

 

なお、生命保険には保険料や解約時の返戻金の金額にバラつきがあります。

一般的には、同じ保障額の場合、保険料、返戻金ともに①<③<②となりやすいです。

 

また、特に法人向けの節税対策として活用された定期保険に関しては、ルール改正に伴い商品の販売停止が見込まれるため、割愛致します。(平成31年3月現在)