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突然の退職・産休育休・・・どう対処する?

2018.09.06
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「せっかく経営が安定してきて患者も順調に増えてきたところで、まさかの頼りにしていたスタッフが退職・・・」ということは、残念ながらよく聞く話です。優秀なスタッフが退職するということはその分人手が足りなくなるということであり、今までは受け入れられたはずの患者の予約を先延ばしせざるをえなくなることも多くはありません。結果として売上が落ちる、さらに補充のスタッフ募集でコストもかかる…と、医院としてダメージは大きいものです。

 そうならないためにも、普段から3か月、もしくは少なくとも6か月に一度、スタッフと個別面談の時間を設け、職場に対する不満や家庭環境に変化がないかなど話をする機会を作りましょう。定期的に話をすることで、ある程度スタッフの気持ちや環境、雰囲気を感じ取ることができ、何かある場合にはあらかじめ対策を講じることも可能となります。

 そして、もし優秀なスタッフが退職を申し出てきた場合でも、まずは相手の意見を聞いたうえで、時期を先延ばしできないか、勤務日数や時間数を減らすことで継続できないかなど、何かより良い道がないかを考えてみることも大切です。

 また、スタッフには女性が多い業界ということもあり、産休・育休が重なることも少なくありません。その場合、人員補充の要否は常に院長の悩みのタネだと思いますが、まずは残りのスタッフのシフト調整でカバーできる範囲なのかどうかを見極め、不足ならば早めに新しい人材の採用を検討しましょう。もし復職後に過剰人員になるのであれば、パートタイマーの採用や人材派遣会社の活用、また過去に円満退職した方に連絡してみるというのも選択肢の1つです。

 さらに、医院として、その産休・育休についての法律上のルールや制度をあらかじめ院長とスタッフが共有しておくことも重要です。特に雇用保険に加入していれば受給できる育児休業給付金については、産休に入る前にそのスタッフと打合せしておくといいでしょう。

良い人材が長く確保し続けられる環境づくりも医院継続のためには大切なポイントです。

執筆者:鈴木

愛媛県出身・立命館院卒
2007年 税理士法人イースリーパートナーズ入社