歯科医院のスタッフ募集の工夫②
歯科医院の運営に欠かせないスタッフの採用。前回は求人媒体についてお伝えしました。2回目の今回は、近隣の求人との比較の仕方と、医院のアピールポイントの作り方についてです。
● 近隣の歯科医院の求人を見てみる
求人を出すうえで、周辺の競合する医院の情報を見ることは非常に重要です。近隣の歯科医院が、どの媒体にどのような条件で求人を出しているのか比較してみましょう。給与水準や賞与の有無、勤務時間、休日数、社会保険の加入有無など、求人を探すときに多くの人が重視するポイントを中心に、周辺の医院に見劣りしないような募集条件を考えるとよいと思います。逆に、これらの項目は各求人サイトで検索条件に設定できるため、例えば、似た雇用条件の医院より月給が数万円低いなど、周辺の競合の医院に比べて明らかに条件が良くない場合は、検索にヒットしない可能性があります。検索に引っかからなければ、求人が出ていることすら気づいてもらえないので、注意が必要です。
また近年は他業種の賃上げが進んでいることにも注意しましょう。他の業種の場合、賃上げした分だけ商品を値上げして資金繰りを解決できますが、保険診療中心の歯科医院では賃上げ分をそのまま売上に上乗せすることはできません。こうした要因から、他業種の給与水準が歯科医院に比べて相対的に上がってきています。特に、近隣に小売店・飲食店などが多い地域で求人する場合や、医科・歯科以外の求人情報も掲載される媒体を利用する場合は、他業種とも比較してみることをお勧めします。
● 自分の医院のアピールポイントを作る
近隣の歯科医院の情報収集をするのと同時に、競合に勝てるポイントを見つけることも重要です。他の医院と差別化できるポイントは、求人の見出しや紹介文で積極的にアピールしましょう。求人サイトの詳細検索機能を使ってみると、応募者が重視している人気の検索条件を見ることができるので、医院アピールのヒントが得られると思います。最近は、髪色・髪型の自由度やネイルの可否などの検索条件も人気になってきているようです。ただし、身だしなみに関する項目は価値観に差が出やすいポイントなので、医院の雰囲気に合うかどうか、既存のスタッフや患者さんに悪い印象を与えないかどうかも加味しながら検討しましょう。また、医院のアピールポイントを考えるうえでは、今働いているスタッフに「医院の魅力はどんなところか」や「どんな求人だったら応募したくなるか」をヒアリングしてみてもよいと思います。求人サイトに掲載する写真や文章の雰囲気を見直すだけでも、応募者増加につながるかもしれません。
