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現金の管理

2024.12.16
開業をお考えの方 開業中の方

診療所経営にとって重要なことの1つに現金管理があります。医業にもキャッシュレス化が進みつつありますが、まだまだ窓口で現金を取り扱うことは必須であり、この現金管理を適切にしていないと、仮にミスや不正、盗難等があっても発覚しづらい状況となります。

 

毎日現金出納帳をつけてチェックするというのも1つですが、簡単な方法として「現金入金と現金支払を分けて管理する」というのをおすすめしています。

具体的には「窓口入金の現金」「窓口で経費支払用の小口現金」「その他経費支払用の現金」の3つに分けて管理する方法です。

 

1. 窓口入金の現金

 患者さんから窓口で現金を受け取りますが、その現金をそのまま経費支払等に使うと、入金額が実際の売上と合っているかどうかのチェックがしにくくなります。そこで窓口入金の現金を支払に使うことはせず、それをそのまま預金へ入金することを推奨します。これにより現金売上の確認ができますし、窓口のやり取りでのミス発覚や不正・盗難防止にもなります。

 

2. 小口現金

 診療時間中に代引きなど窓口で現金支払が必要な時もあると思います。そのために、窓口入金現金とは別に小口現金として必要最小限のある一定の金額を置いておきます。そして窓口等で支払いが必要になった場合はその小口現金から支払い、少なくなれば補充しておく形をとります。もちろんこの小口現金に関しても出金と残高が合っているかの確認は必要です。

 

3. その他経費支払用の現金

 1で説明したとおり、窓口入金の現金はそのまま一旦預金に入金しますので、経費支払に必要な現金は預金から引き出します。窓口現金をそのまま使うのでなく「一旦預金に入金し経費支払に必要な分だけ出金して使用する」という形です。面倒ですが、この形をとることによって、現金過不足がわかりやすくなります。

 

また、現金やり取り時の過不足リスク対策として、自動釣銭機を導入するのも1つです。初期コストはかかりますが、ヒューマンエラーやトラブル防止にもなるうえ、スタッフの仕事の効率化にもつながります。

 

現金は、日頃から意識をもってきちんと管理をしておかなければ、何かトラブルが起こっても事実がどうだったかの証明が難しいのが現実です。売上をきちんと守るためにも、手間はかかりますが、「預金を通して現金も管理する」ということをおすすめします。