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歯科医師会加入のメリットと留意点

2024.11.18
開業をお考えの方

歯科医院を開業されている方の中でも、歯科医師会に加入している方もいれば、加入していない方もいます。地域によっては入会金や年会費で数百万円のコストがかかる歯科医師会について、加入のメリットや留意点について紹介します。

 

メリット①:情報提供・研修制度

歯科医師会は会員の知識や技術の向上のため、会員向けの生涯研修セミナーの開催や日本歯科医師会雑誌の発行などを行っており、これらの情報は会員限定のオンラインシステムにより随時閲覧・受講することができます。医療保険制度や診療報酬の改定といった最新の情報についても歯科医師会を通じて情報共有がされるため、常に知識をアップデートできるのもメリットの一つです。法律や税務といった医院運営に欠かせない知識に関する講習会も開催されており、実際の法務・税務でのトラブルについても歯科医師会からのサポートや会の顧問弁護士等の相談が受けられる場合があります。

また、これらの研修や講習を通じて歯科医師同士のつながりができ、情報共有の輪が広がっていくこともメリットとして挙げられます。

 

メリット②:地域に根差した活動

歯科医師会は地域保健医療活動を積極的に行っており、保健センターでの各種健診や学校歯科、高齢者向けの訪問医療、当番制の休日・夜間歯科応急診療などの活動があります。こうした活動に参加することで、地域住民とのつながりが増え、医院の認知度を向上させることができます。また、歯科医師会に加入している歯科医院は、各都道府県歯科医師会のホームページにも掲載され、だれでも検索できるようになっています。

 

メリット③:歯科医師国保に加入

歯科医師会に加入すると、歯科医師国保(歯科医師国民健康保険制度)に加入できます。歯科医師国保は保険料が所得によらず一定の金額のため、所得によっては国民健康保険よりも保険料負担を抑えることができます。

健康保険以外にも、生命保険や休業補償の共済などが歯科医師会や協同組合経由で加入することができます。団体割引が受けられたり歯科医師専用の商品が用意されています。

 

留意点

加入すれば上記のようなメリットがある歯科医師会ですが、冒頭にも述べた通り入会金や年会費の負担が大きいことには注意が必要です。また、歯科医師会に加入すれば地域の活動や休日診療などに参加することになるので、休診日や診療時間に制約がかかる場合もあり、自己研鑽や休暇の時間よりも歯科医師会の活動を優先すべき場面もあります。

 

これらのメリットや留意点を踏まえ、ご自身や医院の状況に合わせて加入を検討しましょう。