歯科医院で勤務歯科医師を雇う際に、業務委託契約を締結する場合と雇用契約を締結する場合があります。今回はそれぞれの契約形態の特徴やメリットデメリットについて紹介いたします。

〇業務委託契約とは？

業務委託契約は、歯科医師が独立した立場で、医院から特定の業務を委託され、その業務に対する報酬を受け取る契約です。歯科医師は医院の従業員ではなく、個人事業主やフリーランスとしての位置付けになります。

医院としては、社会保険料の負担が少なくなるため、コスト面でメリットになる一方で、勤務状況によっては業務委託契約を締結していても雇用契約とみなされ、社会保険料や残業代を請求されるリスクがあります。勤務医としては、裁量が与えられるため、自由に仕事を進められるといったメリットがある一方で、個人事業主として、確定申告をする必要があり、事務負担が増加してしまいます。

〇雇用契約とは？

雇用契約は、歯科医師が医院に従業員として雇われ、定められた勤務時間に沿って業務を行い、給与を受け取る形態です。医院側は、労働基準法や各種法令に基づいて、勤務環境や労働条件を整える義務があります。

医院としては、長期的な勤務が見込めるといったメリットの一方で、社会保険料や福利厚生といったコスト面の負担は増加します。勤務医としては、安定して給与が支払われるといったメリットの一方で、業務内容によっては自由な働き方は制限されてしまいます。

このように、業務委託契約と雇用契約にはそれぞれ特徴があります。どちらを選択するかについては、医院の方針や勤務医の希望に応じて検討することが重要になります。