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融資のポイント

2024.08.19
開業をお考えの方 開業中の方

医院経営にあたって、開業時、分院開院時、設備投資時など融資を検討する機会も多いと思います。今回はその融資を受ける際のポイントを説明します。

 

融資を申し込むにあたって、考えるべき項目としては次の4つがあげられます。

 

  1. 借入金額及び申込時期

 まずは事業計画や設備投資計画から必要借入金額を算出する必要があります。そして、いつその資金が必要かの時期を確認し、そこから逆算して金融機関等に申込をします。実務的には正式に申し込んでから審査に最低1ヶ月(お盆や年末年始をはさむ場合はそれ以上)はかかりますので、まずは融資計画がたった時点で早めに金融機関等へご相談することをおすすめします。

 

  1. 借入先

親族・身内以外の借入先としては、下記が考えられます。

  ・公的金融機関(日本政策金融公庫など)

  ・民間金融機関(地方銀行・信用金庫・都市銀行など)

  ・リース会社、ローン会社

どこから借りるかは、借入返済期間(下記3)や金利(下記4)などを考慮したうえで決めます。

 

  1. 借入返済期間及び返済据置期間

 借入返済期間は、公的・民間金融機関では、設備資金10年~15年、運転資金7年が多いと思われます。一方、リース会社やローン会社は長めに設定できるところも多く、20年~30年が可能のところもあります。

 また返済据置期間とは借入してから元金返済開始までの期間(その間は利息のみ支払)ですが、特に開業時などはすぐに返済開始するのは厳しいので据置期間を設定することが多いです。こちらも金融機関によって設定できる期間が違い、おおむね民間金融機関では6ヶ月~1年、リース会社・ローン会社では1年~3年となっています。

 

  1. 借入利息(金利)

融資にあたって借入利息(金利)も重要なポイントです。

一般的には、公的・民間金融機関よりリース会社・ローン会社の方が、借入返済期間や返済据置期間が長く設定できる分、高めとなっています。

また金利には「固定金利」と「変動金利」があり、固定金利とは決められた期間は市場金利に関わらず金利が変わらないタイプ、一方変動金利とは市場金利の動向によって金利が変わるタイプですので、情勢によってどちらが有利かの見極めが必要となります。

なお、民間金融機関には「保証協会融資」と「プロパー融資」があり、保証協会融資の方がプロパー融資より金利が安いですが、別途保証協会へ保証料を支払わなければいけないので、その分も考慮してどちらがいいか検討する必要があります。

 

  1. まとめ

融資を考えるにあたっては、上記の1つの要素のみで決めるのではなく、計画にもとづいて総合的に検討することをおすすめします。

例えば、開業資金融資として金利が一番安いところに決めたが、据置期間が6ヶ月しかなく自己資金も少ない状態で集患にも時間がかかっている場合は、借入返済がたちまち厳しくなります。その場合は、多少金利は高いが、返済期間・据置期間が長いローン会社で借りた方が、結果的に資金繰りがうまくいったというケースも考えられますので、柔軟に検討することが重要です。