専従者給与の金額
2024.06.17
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医療法人でない個人医院において、家族に対して給料を出しても、原則的には費用になりません。ただし、一定の要件を満たすことで、青色事業専従者給与として、費用に計上することができます。青色事業専従者給与として認められる主な要件は次のとおりです。
- (1)青色申告をしていること
- (2)生計を一にする家族(15歳以上)に支払う給与であること
- (3)年の半分以上は事業に従事している家族に支払う給与であること
- (4)税務署に専従者給与を支給する届出をしていること
- (5)専従者給与の額は、労務の対価として相当であると認められる金額であること
税務調査では、(5)がよく問題となります。労務の対価として相当であると認められる金額を超える部分の金額は経費に算入されません。あまりに多額な給与を家族に支払っても費用にはならないこととなります。労務の対価として相当かどうかは、次のような事項に照らし、総合的に考える必要があります。
- (イ)どんな仕事をしているか?
受付事務だけをしている場合に、Dr並の給与は認められないでしょう。
- (ロ)どれくらい勤務しているか?
パートくらいの勤務時間で、正社員並の給与の設定は難しいでしょう。
家族従業員に給与を支給する場合には、「他人を同じ条件で雇った場合に、いくらの給与になるか?」を考えます。その金額より明らかに多い給与の額は認められない可能性が高いです。また、通常の従業員と比べ、タイムカードや出勤簿をつけないことも多いため、勤務実態が見えにくいです。税務調査で揉めないためにも、「なんの仕事をしているか」「どれだけ働いているか」を日々の書類に足跡を残しておくことも重要です。